真っ白な砂浜で

rurinohikari2011-01-19

真っ白な砂浜に、青い空に、
なだらかな六甲山。

44年前の春の出来事、
風が吹いて、よせてはかえす波の音が心地よくて。

いつまでもここの浜にいたい気持ち、今でも思い出します。

三輪車を買ってもらって、何かに取りつかれたように、
兵庫県西宮の香櫨園の白い砂浜に行きたくて、
いつもそわそわしていた時のことを、思い出します。
まっすぐな夙川の川沿いの道、桜の花びらが舞って、三輪車のペダルが急回転して飛ばされてしまいそうな坂道を走り、

帰りはいつも陽が暮れて、三輪車を引きずって帰ることが多かった。

砂浜で拾った貝殻を耳にあてたり、こすりあわせたり、たたいたり、
巻き貝の穴に息を吹きかけてみたり、
ぼーっと眺めていても時間を忘れさせてくれる。

何をそんなに忘れたいのか、時間だけが過ぎて行く感じ、
静かに砂浜で、雲の上の世界を眺めてみる。

ふわふわマシュマロのような、真っ白な雲に、渡り鳥がスイスイと泳いでいるみたい。

大阪で生まれて、夙川に引越しすることができて、夢のような光りを感じることができて、自分の中からふつふつとわいてくるような気持ちになれて、響きを感じ、音を発したいとおもうことが、笛の世界に繋がり、今の雲龍があります。

今も砂浜での記憶が、笛を吹くことで、よみがえって来ます。

この頃に感じたことに、音は発した時から消えて無くなるのではなくて、音は発した時から宇宙にひろがって行くと感じたのです。

太陽から放たれる光りの粒のように、この地球に届き、
音もその粒のように波紋がひろがって行くように感じたのです。

波の風を感じながら、貝殻を吹くと、どこか遠くの島の葉っぱが揺れるような気がします。

今もここで揺れている葉っぱも、遠いところで誰かが吹いているのでしょうか〜。



この続きは、またいつの日か…。


※夕陽の砂浜は、能登半島の海岸です。