国宝 東塔大修理着工法要へ

昨日は、奈良西ノ京にある薬師寺に伺って来ました。

東塔は最初、藤原京に創建され、平城遷都に伴い、
今の地に移建されました。
それ以来平城京の空に聳え立ち、都を見守っています。

これから約十年の歳月をかけて解体大修理が行われます。

東塔は薬師寺で唯一の白鳳建築で、飛鳥・藤原京から
730年に移築された、平城京で現存する最古の建造物
だそうです。
(機関誌 薬師寺 第168から)

天高く青空に恵まれ、天理大学雅楽部の舞楽に始まり、
市川團十郎氏の着工法要だけの特別な形の、
奉納舞『三番叟』が披露されました。







法要後には、日の丸弁当に、裏千家淡交会奈良支部の皆様方による
野点席が設けられていました。

日の丸弁当の表には、『未来のために』と書かれていました。



このお弁当に込められていた『未来のために』と、
その気持ちを噛み締めながら、東塔の大修理と、
東日本・関東の大震災の復興へと結ばれました。

日本人は昔から、お米を『むすび』、気持ちを一つに
結び、噛み締めていました。

月末には、東塔の源流を訪ねて、第一回目の韓国慶州の地で
法要を行い、献笛をさせて頂いてきます。

東塔の大修理に対する無事を祈り、一千年以上も奈良の都を
見守り、これから先も一千年以上の未来に向けての、
平安を祈りたいと思います。

インドのお釈迦様の祈りが、この日本に伝えられ、守り継がれて
いた姿を、後世に伝えて行きたいと願います。




(機関誌 薬師寺の表紙に記載されている、東塔水煙 笛吹童子



昨年2月に、修理事前調査で足場が組まれていた東塔に、
お寺の特別なお計らいを頂き、
塔の上で笛を吹かせていただきました。

初めて塔の上から、街を眺めることができ、
笛吹童子の目線で吹かせて頂けたことは、
この上ない喜びと感謝の気持ちでいっぱいです。

これからも修復されて塔の上には、笛吹童子が、
笛を吹かれ、塔と共に、この奈良の空に響き、
この日本を見守り続けられることでしょう。

この法要に参列させて頂けたことは、

また新たな気持ちを感じ、笛を吹かせて頂きたいと
思いました。